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桜の花びら

認知行動療法など

当院では、医師による薬物治療や精神療法の他に、看護師、精神保健福祉士、公認心理師による以下の治療プログラムを提供しております。

認知行動療法

 認知行動療法とは、ストレスなどで狭くなった考えや行動に働きかけて、ご自身の力で考えや行動をときほぐしてこころのストレスを軽くしていく心理療法です。
認知行動療法では、ストレスを感じた場面を取り上げて、その出来事が起きたときの次の4つの反応について考えていきます。

①    頭に浮かぶ考え(認知)
②    感じる気持ち(感情)
③    からだの反応(身体)
④    振る舞い(反応)

医療従事者

認知

身体

感情

循環矢印

行動

ストレスによって出た4つの反応は互いに影響を与え合っていて悪循環を生み出すことも多いです。認知行動療法では、この4つの反応を整理して、ご自身のパターンに気づき、更なる悪循環に陥らないように調整していくことを目指します。

認知行動療法では、次の6つのことを学んでいきます


1)ご自身のストレスに気づいて、問題を整理していきます。
2)ご自身の考え方が、感情や行動にどのように影響しているか振り返っていきます。
3)ストレスを感じた状況を振り返りながら、喜びやこころが軽くなる活動を増やしていきます。
4)ご自身の考えと現実のズレに注目して、出来事に対する考えを見直して、現実的で柔軟な見方・考え方の幅を広げ、気分を楽にしていく練習をしていきます。
5)モノの見方を変えていくとき、ご自身にとって何が一番大切かを考えてみます。
6)バランスよく考えられるようになってきたら、様々な問題や、人間関係を柔軟に対応していくための方法を練習していきます。

認知行動療法

SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)

ソーシャルスキル・トレーニング(SST)とは、社会で人と人が関わりながら生きていくために欠かせない技術を身につける訓練のことをいいます。

 そもそもソーシャルスキルとは、社会(ソーシャル)の中で暮らしていくための技術のことをいいます。ソーシャルスキル・トレーニングでは、社会で人と関わるときに生じる挨拶、相手に何かをお願いしたり断ったりするなどのコミュニケーションはもちろんのこと、毎日の食事や決まった時間に薬を飲むなどの日常生活を営む上での生活スキルもテーマとして取り扱っています。

 社会生活ではソーシャルスキルが求められる場面は多くありますが、すべての人が必ずしも高いソーシャルスキルを持っているわけではありません。ソーシャルスキルの習得度合いには、生まれ育った環境なども影響しますが、本来持っている個性による個人差も大きいようです。

 ソーシャルスキル・トレーニングでは、社会生活で起こるさまざまな困りごとに対する対処法を見つけて訓練することで、「できること」を増やし、より良い生活を営めることを目的としています。

ソーシャルスキル・トレーニングの内容としては、ゲームやディスカッション、ロールプレイなど楽しみながら社会性を身につける訓練を行っています。

SST

SCIT(社会認知機能と対人関係のトレーニング)

対人関係に悩んではいませんか?当院ではSCITを用いて対人関係のトレーニングを行っています。

SCIT(スキット)は、精神症状を持つ患者さんに対して、社会認知を鍛えて対人関係をより良くするためのトレーニングを行うリハビリテーションの1つです。

SCITでは写真やビデオを見たり、ゲームをしたり、お互いの体験を聞いたり、話し合ったりしながら学んでいきます。

トレーニングを通して対人関係で何が起きているかの把握の仕方・感情についての理解・結論へ飛びつかずじっくり考えることを学び、これらを実生活の中で応用していく方法を身に付けます。

SCITの目的

  • 人の気持ちを想像できるようになる

  • すぐ結論に飛びつかず、落ち着いて考える

  • 人の気持ちや周りの状況を理解するために、上手に情報を集められるようになる

  • 状況を理解するための情報が十分でないとき、情報が不十分であることに自分で気付く

  • 場の空気や雰囲気が読めるようになり、人と良い関係を作ることが出来る

  • ここで学んだことを、日常生活で使えるように、お互いに助け合うことも出来る

SCITの活動内容

  • 週1回(1回のセッションは1時間程度)

  • 約20回/6ヶ月間

トレーニングの一例として,写真の表情から感情を読み取るトレーニングを行ったりします。

SCIT01
SCIT02
SCIT03
SCIT04
SCIT

アンガーマネジメント

私たちの日常生活の中には、さまざまなストレッサーがあります。ストレッサーは人それぞれで、人間関係だけでなく、仕事の量や質、環境の変化、お金の管理が上手くいかない、更には暑さ寒さまでもがストレッサーとして挙げられます。

アンガーコントロールトレーニングでは、対象となる患者さんの考え方と行動を変化させることを目的としています。

プログラムではテキストを通じて、怒りの感情を悪化させ攻撃的行動につながる自分の特定の考え・感情・行動について学び、その気付きを活かしてライフスタイルの変化や、よりポジティブな考え・行動ができるスキルが応用できるよう学んでいきます。 

自分の怒りの正体を知り、ちょっとした習慣や考えを身に付けるだけで、不要な「怒り」から解放されます。「怒る」必要のあることには怒れて、「怒る必要のないこと」には怒らなくてすむようになること、それがアンガーマネジメントなのです。

「アンガーマネジメント」の基本的なステップは、以下の3つになります。

1.「衝動」のコントロール

「怒り」を感じた瞬間に。すぐさまそれを爆発させるのではなく、じっと待つ訓練をするというものです。

2.「思考」のコントロール

「怒り」を感じた言動が、「許せる」ことか、「許せない」ことなのかを客観的に評価することです。とに「怒り」を感じやすい人は、どこまでなら許せるのかという自分の許容範囲を、「許せる」「まあ許せる」「許せない」の3段階に分けてみることで、許せる許容度を広げる訓練です。

3.「行動」のコントロール

「怒り」を感じたことが「重要」なことであるかどうか、「変えられる」ものであるかどうかを考えます。どんなに「怒り」を感じても、相手の性格のように、自分の力で「変えられない」ものはどうしようもありませんし、ましてや「重要ではない」物事であれば、「怒り」を感じること自体が無意味です。このように整理して納得をすれば、時間経過とともに「怒り」は薄らいでいきます。また、それが「変えられる」ことで、自分にとって「重要」であるのなら、全力をあげて変え、自分の周りにある怒りの誘因を減らしてみましょう。

アンガーマネジメント

ARP(アルコール依存症リハビリテーションプログラム)

アルコー依存症というのは病気であり、アルコールの作用によって意志の力だけでは飲酒をコントロールできない状態になっています。多量に飲酒したり、飲酒を繰り返すことで誰もが依存症になる危険があります。いったん依存症になってしまうと意志の強さや根性ではやめるのが難しくなります。回復の道を歩むには、まず、この病気について学び、やめ続ける方法を身につけることが必要です。
アルコールリハビリテーションプログラムは、認知行動療法を中心に作られています。
認知とは、考え方や物事のとらえ方のことをいいます。人は環境や出来事、状況を認知し行動に移します。飲んでしまう前にはいろいろなことを考えていたと思われますが、長年飲酒してきたために、根深い飲酒習慣(飲酒につながりやすい環境や状況、出来事、行動)や、飲酒につながりやすい考え方(=認知)が身についてしまっていて、その修正・打破は容易なことではありません。
このプログラムは、

①これまでの生活や飲酒を振り返る

②断酒する理由をしっかり持つ

③自分の飲酒習慣(飲酒につながりやすい環境や状況、出来事、認知など)をよく把握する

④それまでの飲酒習慣を変える方法を考える

⑤新しく断酒につながりやすい考え方や方法を身につけて、実行できるようになる

などを順序立てて考えて頂くように作られています。
周囲から「断酒しなさい」と言われるだけでは、それまでの飲酒習慣を変えることは困難です。自分自身でよく考えて、意欲的に自分の状況にあった断酒の方法を考えて実行に移す必要があります。その手助けをするのがこのプログラムの意義です。

ARP

条件反射制御法

当院では、繰り返してしまう、万引き、薬物乱用、問題飲酒、ギャンブル、ストーカー、痴漢などのやめたくてもやめられない行動でお悩みの方に対して条件反射制御法を用いた治療を行っています。
また、ご家族がこのような症状でお困りの方には家族相談も行っています。一度ご相談ください。
条件反射制御法とは、「わかっちゃいるけどやめられない」といった行動や意に反して起こる精神症状を改善するトレーニングです。
条件反射制御法では、やめられない行動を繰り返した結果、成立した条件反射を低減させるトレーニング、やめられない行動に対する欲求が生じたとき、その欲求を低減させる新たな条件反射を作りだす、この2つのトレーニングを実施していきます。

条件反射制御法について詳しく知りたい方は、学会HPをご覧ください。

条件反射制御法
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